昭和12年度計画より建造された我が海軍最後の河用砲艦。

 従来の河用砲艦が外交・警備を目的としてたのに対し、本型では戦時下の完成の為、戦闘任務に重点を置いた艤装となっており、舷側や上部構造物の一部には簡単な防弾構造が採用されており、塗装も揚子江塗装(白色)ではなく、鼠色に塗られていた。

 我が河用砲艦には排水量の増加に伴う吃水の増加と乾舷の減少の問題が常に付いてまわった為、本型では思い切ったマージンをもたせ、さらに河用砲艦として初めてタービンや重油専燃缶を搭載し、最速の17ノットとなったが、皮肉にも三峡を遡上する事は無く終戦を迎えた。

 <伏見><隅田>の2隻が建造され、江上の警備につき、戦後は国府に接収され、<江鳳><江犀>となった。


伏見型要目

 名  称   伏見型(2代目)
 ネームシップ  伏見
 建造時期  昭和14年7月15日〜昭和15年5月31日
 建 造 数 2隻
 常備排水量  304トン
 垂線間長   48.50m
 最 大 幅   9.80m
 吃  水   1.20m
 主  機   艦本式オールギヤードタービン 2基
 推 進 軸 2軸
 主  缶   ホ号艦本式水管缶(重油専燃) 2基
 公試出力   2200馬力
 計画速力  17ノット
 航 続 力 14ノットで1400浬
 燃料搭載量  重油54トン
 乗  員   61名
 兵  装   8センチ単装高角砲 1基
 25ミリ単装機銃 5基

同型艦:
 伏見、隅田